1月29日、薬害について学ぶ講演会を中学部3年生対象に行いました。
薬害については中3の社会科(公民)や保健で学ぶのですが、その理解をさらに深めるために開催したものです。
あわせて、弁護士の仕事について紹介してもらうことも目的の1つです。
4年目となる今回、本学院卒業生である加藤弁護士と薬害肝炎被害者の女性に2時間弱の講演をしていただきました。
生徒たちは『薬害を学ぼう』(厚生労働省発行)というパンフレットを参考にしながら、講演に臨みました。
加藤氏からは、最初に弁護士の仕事についてスライドを使って説明していただきました。裁判所の傍聴に行って検察官になりたいと思ったことが現在の仕事のきっかけになったこと、授業やドラマなどで知っている法廷での姿以外にも、訴訟に携わると様々な仕事があることなど、色々とわかりやすく学ぶことができました。
続いて、薬害肝炎訴訟の事例を通して、①命・健康の大切さ、②薬との正しいつきあい方を学びました。
「薬ってなんだろう?」「薬害と副作用の違い」「薬害の歴史」など、薬害に関する基本事項の説明を受け、薬害肝炎訴訟の動きをまとめたDVDを観ました。
薬害というと「危険ドラッグ」のイメージを持ちがちな生徒にとって、しっかりとした知識を得ることができました。
さらに、ご自身の出産時の医療行為によって薬害肝炎被害者となってしまった女性が、当時の具体的な状況を語ってくださいました。同じ女性として、生徒にとって大いに訴えかけるものがありました。
講演当日は、インフルエンザ蔓延防止のために1クラスだけ会場で直接話を伺い、他の4クラスは各教室でモニターを通して講演を拝聴するという変則的な講演会となってしまいましたが、会場入りした1クラスからは、血漿プールのしくみについてなどの質問が積極的に出されました。
講演後に書いた感想文には、薬の安全性に意識を向けることの大切さ、政府の対応への憤り、などに言及するものが数多くあり、薬害、さらには社会全般について学ぶ有意義な機会になったようです。