3日間の中間テストが終わりました。気が付けば校内の木々も赤やオレンジ色に色づきはじめています。
新型コロナウィルスに振り回されている我々ですが、季節はこれまで通りに巡っています。
さて、現役の高校生たちはコロナ禍の現状をどのように捉え、何を思い考えているのでしょう。高校2年生(国女では5年生とよびます)に思いのままを綴ってもらいました。
本来であれば最も充実した学院生活を謳歌しているはずの5年生たち。新型コロナウィルスに翻弄されながらもしっかり国女生活を送っている生徒たちのリアルな今の気持ちをお伝えします。
コロナ禍で毎日食事以外の時間はマスクをつけているのが当たり前になっています。今のクラスメイトと会った時からずーとマスクなので、友達の顔下半分をしっかり見たことがありません。ニュースでも日本人の性格上、マスクを外す許可がおりたとしても、恥ずかしさから取れない人がほとんどだろうと報道していました。果たして以前のようにマスクをとって生活できる日は来るのでしょうか…(Hさん)
私は学校が休みになると知った当初とても喜びました。満員電車から解放されたことや、学習面では自宅でオンラインで好きな時間に授業が受けられるので何も困ることはありませんでした。けれども日が経つに従い、自分を律することの難しさに気づかされました。学校には校則があったり、電車での登下校は嫌いで正直行きたくないなと思ったこともありました。けれどもそうした「制度」は自分を高めるためにあるものだと、強く思い考えを改めるようになりました。(Hさん)
私の家族は4人家族です。大学生の姉はオンライン授業、父親は在宅ワークに切り替わりました。元々専業主婦だった母親をふくめると、私一人だけ家から切り離された存在のように感じつつ日々の生活を送っています。「外出」に対する私と家族の意識の差がとても大きく、居心地が悪いと感じることが前より多くなりました。このような意識の相違を日本中、世界中のあちこちで引き起こしたのが新型コロナウィルスです。(Iさん)
新型コロナウィルス流行により、人々の感染対策の意識に大きな開きがあることに驚いた。その違いにより、度々世間では問題が起こっている。感染を懸念する人と、全く気にしない人が同じ空間にいると、互いに不快感を覚える。様々な争いごとがあるとテレビなどで見ると、世の中にはこんな考えの人もいるのだなぁと思い、人々の感覚、意識がこんなにも異なることをまざまざと見せつけられます。普段以上に、もう少しお互いに歩み寄れないものかと少し残念に思うことが多いです。(Sさん)
本当に様々なことが制限され、夢への道が経たれている人が多くいると感じます。私は今年の夏、夢への一歩として留学を考えていたので全ての計画が崩れ、今これからどうするか思案中です。コロナというちっぽけなウイルスに全人類が困らされている様子を見て、人間の無力さを感じますが、打破しようとする人間という生き物の無限の可能性も同時に感じます。(Yさん)
新型コロナウィルスは今や世界中に大きな影響をもたらし、世界をコロナ以前には永遠に戻れないようにしてしまったと感じます。当たり前の日常が奪われることがどんなに大変で辛いものか日々感じつつ生活しています。「今までの当たり前」とは何かを考えさせる機会を与えてくれたのが、コロナのたった一つの良い点だったと思っています。(Iさん)
私はコロナ禍で「揺るがないモノ」について考えさせられました。今まで盛り上がっていた各種業界もコロナ騒ぎで経営が危ぶまれる企業が多く見受けられました。私は安定した会社に就職した方がよいと思う反面、自分の本当にやりたいことは何なのかを考えるようにいつの間にかなっていました。将来を選べる段階にまだいる私たちティーンエージャーは同じような悩みをきっと抱えているはずでしょう。(Fさん)
新たなウイルス一つで一瞬のうちに世界が崩壊している現状を恐ろしく思います。かつて多くの人の命を奪ったインフルエンザやペストも大きな混乱を招いたことを肌で感じ取っています。たとえ今のコロナウィルスが沈静化してもまた新たなウイルスが出現してくるでしょう。今回の新型コロナウィルスが巻き起こしたことにより、人生何が起こるか分からないことをあらためて痛感しつつ、様々な状況にも柔軟に対応していける人間になりたいと思いました。(Iさん)
聖路加国際病院「QIセンター」感染管理マネジャーの坂本史衣氏